« 僕がイラストの著作権を譲渡しない理由 2 | トップページ | 僕がイラストの著作権を譲渡しない理由 4 »

2014年7月30日 (水)

僕がイラストの著作権を譲渡しない理由 3

 
前回、「職務著作物」のことを書いた。
しかしそれらのルールや商慣習はあくまで原則論だ。
 
会社と会社員の関係は、両者の間に交わされた「雇用契約書」に従うことになるが、そんな契約書がない場合には、原則に従うことしよう、というわけだ。
例えば、「雇用契約書」に、「会社から給料をもらって、その業務として描いたイラストの著作権も、そのイラストを描いた会社員個人に帰属する」なんてあったら、こっちが優先だ。
 
まあ、そんな契約を交わすことはないだろうけど。
 
しかし、僕が所属する株式会社スタジオぬえは違う。
 
もちろん、特別な取り決めが無い場合は、職務著作物(法人に権利が帰属する)は一般の会社と同じだ。
だが、スタジオぬえの設立趣旨は、
 
「スタジオぬえという会社は、個々のクリエーターの集合体で、通常は個人名(名義)で仕事をし、経理や請求書の発行や税金の処理など、面倒な作業をまとめて代わりに行う」というものだった。
1977年に、スタジオぬえは、早川書房から出版された『宇宙の戦士』(文庫版)のイラストを担当した。そこに登場するパワードスーツ(機動歩兵)は、ぬえの宮武一貴がデザインし、同じくぬえの僕がイラストに仕上げたものだ。
 
いまでもこの『機動歩兵』はプラモやフィギュアとして商品化されている。
 
その著作権使用料は、いったんはぬえの口座に振り込まれるが、その後、宮武、僕、スタジオぬえとで、その著作物への「貢献度」の比率に従って分配される。
僕らは、「職務著作物」よりももっと上位のルール、「著作物の権利は、それを生み出した著作者に帰属する」という考え方を大事にしているからだ。
このような、複数の著作者によって作られ、しかもそれらの創作が複雑に絡み合い、作品の諸権利を明確に分離できない作品を
 
 共同著作物
 
と呼ぶ。
 

« 僕がイラストの著作権を譲渡しない理由 2 | トップページ | 僕がイラストの著作権を譲渡しない理由 4 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/570938/60067806

この記事へのトラックバック一覧です: 僕がイラストの著作権を譲渡しない理由 3:

« 僕がイラストの著作権を譲渡しない理由 2 | トップページ | 僕がイラストの著作権を譲渡しない理由 4 »