僕がイラストの著作権を譲渡しない理由 2
(僕がイラストの著作権を譲渡しない理由 1 からのつづき)
イラスト(美術)の著作権は、そのイラストを描いた人に帰属する。
これが大原則だ。
しかし、「イラストの著作権はそれを発注した会社に帰属する」と言ってくるところがある。
「イラスト制作にお金を出すのは発注する側であるから、その権利は「お金を出した発注主が持つ」という主張だ。
しかしこれは間違っている。
それが成り立つのは、発注主がイラストレーターを社員として雇っている(雇用関係を持つ)場合のみなのだ。会社がその社員に(すでに給料を払っていて・厚生年金のお金や福利厚生費も負担して)イラストを描かせるのね。
これを「職務著作物」と呼ぶ。絵の著作者は会社だから、著作権は会社に帰属する。
つまりそれ以外は(会社が外部に発注した)イラストの著作権は(外部の)イラストレーターに帰属するのだ。
かりに、イラストのアイデアやだいたいの構図がすべて発注主の側で用意されていたとしても、著作権は、それを実際に仕上げたイラストレーターに帰属する。
元のスケッチが、もちろんそれだけでひとつの著作物だったりすることもある。そのスケッチを元に新たに仕上げられたイラストの権利は、仕上げた人だけでなく、元のスケッチを描いた人にもあるのでは?
それはその通りだ。
でもそんな優れたイラストを発注側が描けるなら、わざわざ外部に仕事を出す必要はない。
元のスケッチを超えた優れたイラストが欲しいからこそ、わざわざ外部に(お金を出してまで)仕事を依頼するのだ。新たに描かれたイラストは独自の創作物としての存在価値があり、その新たに作り上げられた創作物に対して、独自の著作権が発生するのである。
(その3につづく)
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