« ダイナミックフィギュアの作り方 8(最終回) | トップページ | 垂直世界1 »

2011年10月17日 (月)

パワードスーツ デザイン改 5

パワードスーツ デザイン改 4からのつづき
最初からお読みになりたい方はこちら

重心とスリッパの話
 
 文章だけじゃ変化が乏しいかもと漫画で挑戦してはみたものの (やっと完成デス)、時間がかかった割には効果は少なかったかも。
 しかも文章での捕捉も必要みたいダ。

3126s640

 歩いたり、走ったりするとき、パワードスーツはどのように方向転換をするのか?
 つまり人間は?

 自分で試してみると、曲がりたいと思う方向へ、踏み出した足の爪先を向けつつ、反対側の足を大きく蹴って身体を、曲がりたい方向へ傾けます。
 このとき、足首はほとんど回転しません、脚全体が、膝関節も含めて、水平方向、横に回転します。足首と股の間に位置する膝は(何本もの靭帯で保持されており前後にしか曲がらない)直接には関係してきません。

 その動きを作り出すのが、腰の付け根、股の関節です。人間の股の関節は(肩も同じ)、球と、それを包み込むお椀の形をしているので、かなり自由自在に動きます。
 そのかわり、モモやお尻やお腹の中を縦に通っている筋肉でがっちり押さえ込みつつコントロールするわけです。
 股の関節は、それを3軸に置き換えるとすれば、前後に160度。水平面で180度。横に90度ほど広げる動きとなりますが、歩いたり走ったりするときは、この脚を左右に開くときの動き以外の、前後と水平、いわば2軸を使うことになります。
 スタジオぬえのパワードスーツは、全体のシルエットをゴリラに似せるためにモモの断面を前後に長くしてしまったので、モモの中央部分に3軸のうちの1軸、回転軸を配置することが出来ません。
 人間と同じように動きすべてを股関節に受け負わせることになるのです。そして大きく自由に動かせるようにすればするほど、そこが防御の弱点となります。西洋の甲冑や日本の甲冑は、股関節だけでなく、股間もすべて覆う防護板を採用していますが、この方式は、どうしても結果的にガンダムやマシーネンに似てしまいます。
 そういうわけで、当時は(ガンダムやマシーネンの前の時代)、股の蛇腹が露出する姿勢のときには、モモから防護板がせり出してきて、蛇腹を覆うという設定にしました。残念ながらこの設定は、ウェーブのプラモデルでは再現できていません(ヒジの蛇腹は上腕部分から防護板がせり出してくる設定は擬似的ながら再現しています)。

 そして、重心の話。

 重心は、上にあるほうが、人もパワードスーツも、自転車も、オートバイも、姿勢の制御が簡単になります(仰向けに寝そべって乗るリカンベントと呼ばれる自転車、特にローレーサーというタイプのリカンベントは重心が極端に低く、コントロールが非常に難しい)。
 駐車中やアクリルのケースに飾ってあるだけなら、重心は下のほうが安定しますが、機敏に動く場合は逆効果です。

 二本足の生物ということなら、ダチョウがそうですね。
 高速移動中、重心は殆ど上下しません。脚も細く、人間のように、脚の動きに対応して前後に振る腕もありません。
 逆の例として、人間が革製の登山靴を履いたときのことを考えてみましょう。
 山道を歩いているだけなら、背中に重い荷物を背負って、坂を登ったり降りたりするだけなら、まったく問題はありません。しかし、そのかっこうでいざ走ろうとしたら、真っすぐ前方向に一直線に動いていてさえも、重心は上下動し、質量の大きな足の動きを押さえ込むために上半身を反対方向へ捻るように動かさねばなりません。とても非効率なのです。

パワードスーツ デザイン改 6 につづく

▼関連記事
終りなき戦いの戦闘服 その1
終りなき戦いの戦闘服 その2

« ダイナミックフィギュアの作り方 8(最終回) | トップページ | 垂直世界1 »

パワードスーツ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/570938/53015138

この記事へのトラックバック一覧です: パワードスーツ デザイン改 5:

« ダイナミックフィギュアの作り方 8(最終回) | トップページ | 垂直世界1 »