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2011年10月16日 (日)

パワードスーツ デザイン改 4

パワードスーツ デザイン改 インターミッション2からのつづき
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日本アニメの黎明期のキャラクターデザイン

 そのころのアニメ作品は劇場用映画だけ。そもそもテレビがまだ発売されてなかったし。
 劇場用のアニメーションは手間も予算も制作期間もすごかったのでしょうね。登場人物(人物キャラ)のデザインは、いちど石膏などで立体の人形がつくられ、それが演出や作画の参考にされます。
 このことを、僕は、叔母から進学祝い(中学だったかな)でプレゼントしてもらった、平凡社の『国民百科事典』で知りました。
 例としてあげられていたのが、東映動画の『安寿と厨子王丸(1961年)』。
 立体の「原器」があれば、それを平面の動画にしたときの立体の解釈にそんなに間違いはおこりません。
 アメリカのディズニー映画が、実際に人間の動きを撮影して参考にしていたり、アニメというものは、その根底に、立体があってはじめて成り立つものだという考えが子供の頃から僕に刷り込まれていたのであります。

 *そして、なんと宮武も、この『国民百科事典』が愛読書だったそうです。

 ネットで検索してみたら、『国民百科事典』は全7巻で1万円。内容からすれば画期的な安さですが、それでもけっこうな金額です。叔母は新聞記者、叔母の旦那さんは理科系の大学の教授でした。その叔父からは、科学関係の本をたくさん貰いました。

 小学生の時には、学校の授業で『ガリバーの宇宙旅行(1965年)』を観に行ったり、その後もテレビで『スーパー・ジェッター』『マジンガーZ』などのSFアニメを一生懸命観ましたが、僕の興味の対象は『サンダーバード』系統の例えば『スーパーカー』『謎の円盤UFO』や『キャプテン・スカーレット』に移っていったのであります。

 スタジオぬえの前身となる有限会社を立ち上げたときの最初の仕事が『ひらけ!ポンキッキ』(ガチャピンとムックは今でも描けます)と、『ゼロテスター』や『宇宙戦艦ヤマト』。
 それが『勇者ライディーン』の仕事へと繋がりますが、僕自身は『宇宙戦艦ヤマト』の裏番組だった『アルプスの少女ハイジ』のほうが好きでした。(ハイジのセル画を持っています。アメディオのぬいぐるみもたくさん買いました)。

 以上が僕とアニメの関わり(初期から中期)であります(笑)

玩具の仕事
2902s
 『ゼロテスター』の仕事をくれた方が玩具会社のタカラに転職して、そちらからも仕事が入るようになり、タカラの『変身サイボーグ(透明な人形で、オートバイなどに変身します)』や『マグネロボ』の企画に携わりました。
 変身サイボーグの仕事では、発売中の人形の四肢の形状が人間と違って断面が真円だったり、関節がどんな方向にも曲がるのが許せなくて、筋肉や関節の動きに、人間と同じ制限をつけた絵を描いて提案しましたが、ことごとく没になりました。逆に、マグネロボでは、描いた絵が実際に木型(モックアップ)になって出来てきた時、その造形士の技術に感動したものです。
 でも僕は、だんだん玩具やアニメの仕事とは離れていきます。本来目指していた、文庫本のカバーイラスト、挿絵が中心になってきたからでした。
 だから巨大ロボットアニメの設定については、宮武が描いているのを時たま横から見るくらい。

 テレビアニメには、当然のように玩具会社がスポンサーのメインで、巨大ロボットは玩具の発売が前提です。多くが玩具会社の内部で決められた形がそのまま番組になる世界に、僕は嫌気がさして、ますますアニメを見なくなるのですが、それを書くとちょっと差し障りも出てくるので、このくらいにします(書いてるじゃん)。

巨大ロボットアニメ
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 しばらくアニメから遠ざかっていたとき、『ガンダム』を少しだけ観ることになりました(最初の数話)。そしてそれをデザインした大河原さんの設定画や、クリーンナップした安彦さんの設定画やポスターの絵もあとで観る機会がありましたが、ほんとうに驚いたのは、それが玩具やプラモデルになって発売されたとき。
 もともと、巨大ロボットは、設定画が描かれる時、その大きさを表現するために、下から見上げた視点で描かれています。だから、足は巨大で、上のほうにある頭は小さい。それが、立体物になったとき、絵描きがわざわざ見上げたように描いたことなど関係ないとばかりに、そのまま商品になっていたのでした。

 宮武が仕上げた『宇宙戦艦ヤマト』の設定画も、じつはかなりディフォルメされているのですが、そのデフォルメがそのまんまの商品がたくさん発売されました。
 こうして巨大な足が当たり前のようになった巨大ロボットアニメ、「絵の解釈の仕方の違い」のせいで、独特の世界が出来上がったのね。

 僕が所属するスタジオぬえは、いちおう理屈にこだわる人間が多いので、ガンダムの仕事をすることになったスタジオぬえの森田繁は、「巨大な足は、宇宙空間で、姿勢制御バーニアを使うことなく、すばやく姿勢を変えるために必要なのだ」という、まるで松崎健一が「ミノフスキー粒子」という物質を考え出したときのような、何とも新しい科学が生まれることに。

 *10数年前、ぼくが小学館の仕事でドラえもんとドラミちゃんをShade(国産3DCGソフト)で作ったときも、小学館からドラえもんとドラミちゃんの「立体原器」が届きました。縦20センチくらいで、かなりの重さがありました。


パワードスーツ デザイン改 5 (いよいよ各部の構造を、具体的に紹介していきたいと思います)
につづく


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