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2011年10月13日 (木)

パワードスーツ デザイン改 2

パワードスーツ デザイン改1からのつづき

 スタジオぬえの宮武、そして宮武からメカデザインを学んだ河森の話や文章に登場する言葉が「スタイリング」です。
 巷に言われるデザインは、本来の「デザイン」ではなく、スタイリングに過ぎない、というもの。

 ここからは僕の勝手な解釈ですが、「デザイン」は「機能」を形にしたもの。曲面を美しく整えたり、バランスを変えてプロポーションをいじるのはデザインではなくスタイリング。

 その理屈でいうと、今回、僕がこのブログで紹介するパワードスーツは、メカデザインではありません。すでにデザインは完成しているのですから。
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 さてパワードスーツ。
 どこまでプロポーションをいじるのか。
 出発点は、スーツを着る人間との調和。
 ぼくにとって常にこれが最優先であり、これまでのデザインやスタイリングの殆どは、僕自身が仕上げたものであっても、満足いくものではありませんでした。

 実際に作業を始めたところで最初に悩んだのが、パワードスーツの動力です。宮武が考え出したパワードスーツは、タービンエンジンで動いている(らしい)。したがって、スーツには「空気取り入れ口」がある。これを残すかどうかで、今後の展開が大きく変わってきます。
 僕は、タービンエンジンがどんなものかを深く理解しているわけではなく、理解できていないものをデザインすることは出来ないので、動力を変更することで、どういう形が表面に表れてくるかがわかりません。
 でも、ぬえのパワードスーツであるからには、まずはここを外すわけにはいかないと考えました。
 (あとで、違う動力のバージョンも描く予定です)

 ほかにも小説の描写では

「ロケット弾発射筒に弾丸をつめていた」
「発射筒を肩にあげ」
「背中に背負ったY型発射機(ワイラック)」
「俺たちの顔を覆っている金魚鉢には鉛が厚く塗ってあるし」
「へまをして生のままそちらを向いていたとしても、顔を伏せ、その(原子爆弾の)閃光を防護服のほうに引き受けさせるように」
「左手に持った携帯火炎放射器(ハンド・フレーマー)」
「弾丸はおれの強化服にあたってはねかえり、おかげで耳はガーンと鳴り、ちょっぴりよろめいたが」
「おれはベルトに手をやって、最初にさわったものをつかむと下手投げにころがした」

 こんな感じなんですね。

 全体の印象はといえば、

「こいつを着ると外観は大きな鋼鉄製のゴリラで、ゴリラサイズの兵器で武装されている」
「三基のジェット」
「着地接近開閉装置(近接信管に似た簡単なレーダーの一種)」
「ヘルメットのまわりにはゴタゴタと装置がつけられているので、まるで脳水腫にかかったゴリラのように見えるが」
「ロケット弾発射筒は、手を離すだけで、いざというときまで格納されていまう」

 などなど。
 僕と宮武は、これらの描写の中から、自分に都合のいい部分だけを採用し、気に入らないものはあえて読まなかった振りをすることにしたが、それらは、最終的には些末なことでしかない。
 いちばん大事なのは、パワードスーツは、「本物のゴリラを抱きかかえて押しつぶす」力があるし、
 「まぬけな戦車隊があって機動歩兵に襲いかかってくるようなことがあれば、たったひとりの機動歩兵だけで戦車の一集団をひきうけ、独力で全滅させてしまうことだってできるのだ」

というふうにも表現されていること。

 この最後の部分を絵にすることが、「デザイン」なのです。

 だからポール・バーホーベン監督の映画『スターシップ・トゥルーパーズ』は、ぼくには耐えられないものだったのでありました。バーホーベン監督には『ロボコップ』もあるわけですから不可能ではなかったはず。げんに、『スターシップ・トゥルーパーズ』映画化のためのスケッチ集には、ちゃんとパワードスーツがありましたから。

 その点、今回の荒牧監督は、ぬえ版パワードスーツをご存知だし、『アップルシード』という作品を過去に作っておられるので安心して待つことが出来る、・・・かな。


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パワードスーツ デザイン改 3につづく


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