正しく伝えるということ 1
『イラストレーション』は視覚言語と訳されます。
正確であっても、必ずしも正しく伝わるわけじゃない。
そこに工夫が必要となるし、経験も生きてくる。
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『イラストレーション』は視覚言語と訳されます。
正確であっても、必ずしも正しく伝わるわけじゃない。
そこに工夫が必要となるし、経験も生きてくる。
ダイナミックフィギュアの作り方を最初から読みたい方はこちら
●発売前の特集いろいろ
SFマガジン2010年12月発売号に先行で紹介された導入部のための挿絵を描き上げた直後の12月21日。ぼくは、カバーイラストを描く作業に入っていた。締め切りはひと月後。2011年の1月末である。
といっても、ほんとうの1月の末だとそれでは進行上はギリギリで、少し前に仕上げてほしいということだった。 『ダイナミックフィギュア』(上下巻)の発売日は2月18日。2月は28日までしかないから、 「月末発売」 も少し繰り上がるのだという。
まあ、他の仕事があるとはいえ、そんなにタイヘンなスケジュールではない・・・はずだったのだが。
なんと、SFマガジンの2011年1月発売号の巻頭カラーページで 『ダイナミックフィギュア』 の特集を組むことになったのだ。そういえば、これまでにもハヤカワの 『Jコレクション』 は、発売に合わせてよく特集を組んでいたことを思い出した。そしてそれらの特集では、発売前の本のカバーイラストが掲載されていたことも。
そんなー。締め切りから半月以上も前に、カバーイラストが完成するわけがない!
そのときぼくは、本格的にカバーの作業に入る前に「人間とのサイズ比較」を描いていたところ。宇宙空間を飛ぶ巨大ロボット違い、ダイナミックフィギュアは、地面を歩いたり走ったりする。舞台は山の中ではなく(樹木を描くのがめんどくさかったのよ)、平地に設定していたから、基準となる人間とのサイズの比較と前もって知って (理解して) おかないと、あとで構図が破綻することがわかっていたからだ。
通常はスケッチ程度のもので済ますのだが、それを特集ページのために仕上げることにした。
●人間との比較
校正刷りを読んでいて、ダイナミックフィギュアの身長の数字に、ちょっと思い当たることがあった。
ちょうどその1年前。2009年の12月26日に、ぼくはこんな図を描いていたのだった。