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2011年2月23日 (水)

シナンジュのプラモデル

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 ●シナンジュのプラモデル

を組み立て中

 角川文庫の 『ガンダムユニコーン』 カバーイラストの資料に用意してもらったもの。

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 すげーすげー。

 ここまで細かく作り込まれているとは!

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 組み立て始めて7時間。
けっきょく今日は完成しなかった・・・

 明日も頑張ろー


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 組み立て作業に使っているテーブルは、アップルのマックブック。
仕事場で唯一、一定以上の広さがある、平たい空間なのです。


●追記 組み立て完了

 シールやデカールなどはいっさい貼らず。ただ組み上げただけですが、全部でおよそ12時間かかりました。

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  シナンジュの台になっているのは組み立て説明図をインストールしたiPadです。

 これだと、ページをめくるのが(戻るのも)とっても楽なのですよー。

 (拡大表示もできるし・・・)


2011年2月22日 (火)

ダイナミックフィギュアの作り方6

●プラモデルを組み立てる

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 作業中は、眼鏡(近視用)を外さないと何も出来ないのデス↑

 いちばん細かいパーツは、数ミリの大きさ。
 床に落としたら、二度と見つかりません。

 じっさい何度かパーツが転がり落ちました。そんな時は自転車用に買った200ルーメンの懐中電灯が活躍します。その懐中電灯、配光パターンをコントロールできる優れもの。気分は警察の鑑識課。はいつくばって床のカーペットを舐めるように探したりしました。


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●完成したプラモデルを撮影する

 目の前にあるものを見ながらそのまんま忠実に描くのは、実はとっても簡単な作業。

 ただし。風景の場合は、

です。

 プラモデルのような縮尺模型は、傍に置いて見ながら描くと、人間の目の左右の視差の違い(立体感を作り出す)を頭の中で合成・補正しなくちゃなりません。←これが意外に難しいのよ。

 実物(実物大)の戦車を見ながら描く場合は、戦車の大きさに比べて人間の両目の幅なんてたいしたことないからねー。

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 撮影に使うレンズはできればズームがよいデス。

 今回のカバーイラストは、手前に90式戦車。ちょっと遠くに巨大ロボット。遠景に飛行船や山々、自衛隊の基地があるお寺の五重塔を同じ画面に配置するため「望遠」で描いていたから、資料の写真も望遠気味で撮れば(もしくは、撮影画面の中央を切り取るようにすれば)、最初に想定した距離感が崩れない。

 撮影してから絵の構図を決めるのではなく、あくまでも、絵ですべてを決めてから、それに合う写真を用意するようにする。これが大事。

 例えば。

 フラゼッタとボリスの違い。

 フラゼッタの絵は、スケッチと完成した絵はそんなに違わない。

 しかし、写真を参考にしないと絵が描けないボリスの場合は、スケッチと(写真をトレースして描いた)絵は、まったく違う。

 やっぱり、フラゼッタが、格は一枚も二枚も上。


 さて、次回からは、じっさいに絵を描いていったその作業過程を紹介していきます。

ダイナミックフィギュアの作り方7につづく

2011年2月11日 (金)

杉並在住のイラストレータたちの展覧会

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● 【杉並のイラストレーター展2011

 最終日、2月13日(日)の昼に、区役所の9階でパソコンを使ったライブペイントをやります。
 (作画中のパソコンの画面を区役所のロビーにあるモニタに映したり、ネットで配信します)

 その準備で自分のMacBookとタブレットをバッグに詰め込んで、運営担当のNPO法人TFFの事務所まで自転車でひとっ走り。MacBookに配信用ソフトをインストールしつつ、実際にその場で試してみました。

 自分が絵を描いている画面が世界(の中の数人)に初めて、配信されたのでした!

      おもしろーーーい。

 動画(ハイライトバージョン)

● TFFの事務所ではもうひとつ用事がありました。

 英語ネイティブの人がスタッフにいるのです。

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 いま準備中のiPad画集、『武部本一郎『火星のプリンセス』原画蒐集(仮称)』 の英語タイトルで相談したいことがあったのです。

 iPadアプリは、普通のタイトル以外にiPadのホーム画面で表示するタイトルが必要なんだけど、「普通」 のタイトルをそのままホーム画面用に使うと、表示スペースの制約で、長いタイトルは、中央部分が省略されて、真ん中部分が 『 ...... 』 になってしまうのです。

 この場合、正確であることよりも、ちゃんと意味が伝わることが大事なのですが、それでも英語圏の人に、少しでもわかりやすいものにしたかったのでありました。

 そして決まったのがコレ

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 M. TAKEBE Images:"A Princess of Mars"
 TAKEBE PoM     (ホーム画面用の短縮形)

注:『PoM』は『Princess of Mars』を極限まで省略したもの(すげー)
  『POM』でもオーケーだそうです。 

  『Princess』 を 『Prcs』 や 『Prns』 に、なんてのも候補に(へー)。


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 スタッフのみなさん、アリガトー


2011年2月 9日 (水)

ダイナミックフィギュアの作り方5

●カバーの作業開始
 
『ダイナミックフィギュア』 は上下巻。

 ただし、 「上下巻を書店で左右に並べたときに二冊で横長の大きな絵になる」 だけでなく、 「カバーが本の内側に折り込まれる部分」 にも絵を配置し、読者が本をめくったときにビックリ。ついでに、 「帯をめくってその下に隠れている部分」 にもビックリ。そのような演出を入れてほしいという・・・。

 いつもなら、そんな提案はこちらからすることが多いんだけど、今回は編集部側から。
 こちらもビックリ。

   へー  それは望むところじゃ

と、早川書房の会議室から出るとき既に、頭の中をいろいろな構想が駆け巡っていたのでありました。

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 まあいちど、SFマガジンの扉絵で描いていたし、巨大ロボットの足下に90式戦車を配置するととても 「絵」 になることがわかっていたから、それを基本に、画面の分割部分を決めていけばいい。

 というわけで、出来上がった絵がこれ。

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 これで決まりかな。
 でも、担当編集さんからは

   時間が無いし、加藤さんだから、複数のラフを用意していただくことも無いですね

と言われていたから、いちおう、ソレがベストであることを自分でも確認しておこうと描いたのが次の絵デス。

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 ちょいと上から見下ろした感じ。ダイナミックフィギュアは頭部の操縦席が取り外し式だから、その辺りのメカも詳しく見せたいカモ、というのがその理由。どうせプラモデルを買うんだし、上から見下ろした90式戦車(ネットでもさすがにそんな写真は見つからなかった)も絵になるかな、みたいな考えが頭をよぎったりシテ。
 ところが、この構図では、画面の中に飛行船をちょうど良い大きさで配置できないことに気付いたのだった。没にできるのが嬉しかったことを思い出す。

 そして3枚目。最後。
 もう、こうなると、自分でもやる気がないことは一目瞭然。ただ描いてみただけ、みたいな。

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 やっぱり、最初に描いた構図で行くことになったのでした。

ダイナミックフィギュアの作り方6につづく

 次回は、ネットで注文したプラモデルの組み立て作業に入ります。
 これが、老眼だと、キツイ作業の連続だったですよー。

2011年2月 4日 (金)

杉並アニメーション ミュージアム

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 用事があって自転車で行ってきた(ご近所なのだ)。
杉並アニメーションミュージアム

 そしたら、なんと企画展で

   トキワ荘の展示

をやってました。

 これが凄い。階段を上がった正面に、どーーん、と
トキワ荘の襖(ふすま)が一組.寄せ書きが書かれた有名なアレ(本物だよー)。
 そしてトキワ荘の蛇口の実物も!!

 その先には、トキワ荘の模型やら、僕がいつも散歩コースにしている道の脇にあるトキワ荘のオブジェがある公園のソレとは比較にならない豪華さで。
 豊島区から借りてきたのだそうで、さらに奥に行くと、当時の漫画や生原稿を展示した部屋が!!

 会期は今月の22日までだそうです(入場無料)。
 近場にこんな凄い美術館があったなんて。みくびってたー(前はなんども通ったことがある)。

 今日は夕方、別の用事(iPad画集の打ち合せ)があったので、ちゃんと見られませんでしたが、今度、ゆっくり見にいきます。

 一通り見終わった後、杉並区のマスコットキャラ『なみすけ』と『ナミー』の携帯ストラップを購入。

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 妹の『ナミー』のほうが、顔がでかい・・・。

 今月13日の日曜日、杉並区区役所を会場に、『なみすけロボット』をその場で描くイベントをやるので、参考にするのデス。
 ノートパソコンの画面を、ネットでライブ中継する予定になっております。
「杉並のイラストレーター展 2011」


 それから、中央受付の後ろにある白い円柱の、皆さんの横に『ブリュンヒルト』とサインを描いてきました。

ミュージアム、スタッフ日誌

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 さっそくストラップをスマートフォンに。

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ダイナミックフィギュアの作り方4

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●参考用に90式戦車のプラモデルを注文

 ダミナミックフィギュアは自衛隊の巨大ロボット兵器。
小説のなかでは、現用兵器もいっぱい出てきます(戦場となるのは、四国の香川県)。
 
 巨大ロボットを巨大に見せるためには、やはり小説に登場する90式戦車との大きさの比較を絵にするのもイラストの役目。
 ところが近所の(西荻窪にある)ナカマ模型では品切れだったのです。
 でもSFマガジンに先行で公開される挿絵は、すぐに描かねばなりません。

 そこで、困った時の『グーグル 画像検索』。
 出てきた画像を片っ端からダウンロードします。
 しかし、それらの写真にも著作権はありますから、そのまま使うわけにはいきません。

 さいわい、人気のある戦車らしく、写真も動画もたくさんあり、自分が望んだ方向から撮影した、一枚の写真を参考に、少しずつ向きを変えつつ描き、レイアウトの参考にしてもらうために途中経過の画像を編集部にメールで送ったら、なんと作者の三島浩司さんから挨拶メールが!

 そして編集部から電話。
 それは三島さんからの伝言でした。

 ごらんのように、ぼくはかなり、ダイナミックフィギュアを人間に近いプロポーションで描いていたのですが・・・。

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 その伝言を聞いたとき、前回のブログで紹介したような「巨大ロボットをデザインする」をのちに書くことになった、世間にあふれている巨大ロボットたちとは違う、小説のイラストでしか描けないようなロボットをデザインを、これを機会にやってみたいという気持ちがムラムラと湧いてきたのでした(詳しくは、SFマガジンに掲載された三島さんのインタビューを読んでね)

 SFマガジンの締め切りはもうそこだったので、まずは、いっきに描き上げることになりました。ほんちゃんのカバーイラストの締め切りは半月後に迫ってました。

ダイナミックフィギュアの作り方5につづく


2011年2月 1日 (火)

ダイナミックフィギュアの作り方3

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●巨大ロボットのデザインを考える
 巨大ロボットを考えるとき、僕が思い浮かべるのは手塚治虫の『ガロン』だけど、最近の人はガンダム、エヴァンゲリオンかな。
 多くの人は、大きく開いた両脚をどっかり地面に据えた(地上に立った人間の視点からの)下から見上げた、巨大なぶっとい二本の脚、大きく横にせり出した肩のプロテクター、中央に大きく突き出した胸を持つ、アニメやゲームの世界の巨大ロボットを思い浮かべるでしょうが、ぼくはこれが苦手です。

 だから、『逆襲のシャア』のサントラのレコードジャケットを描いたとき、富野さんに「下半身は描きたくないので」「デザインそのものも四角いばかりで、描いててつまらないから、少し壊していいですか?」と許可を貰って絵を完成させた。

●巨大ロボットの足は小さくあらねばならない。
 以前から人型のロボット(パワードスーツでもいい)を考えたとき、一つのことを主張してきました。「人型ロボットの足は、小さくなければならない」。さもないと、一番の特徴である人型二本の脚で、走るどころか歩くこともままならないことになる。歩いたり、特に走ったりするときに左右の足がぶつかってしまうから。
 それを避けるためには、股や膝の関節を無理矢理、互いに避けるように円弧状に動かさねばならないし、それはとても非効率だし、パワードスーツの場合には中のひとの関節が耐えられません。
 自転車のポジションでも、ちょっとペダルの位置がずれてたり、膝の角度が曲がっていたら、関節に大きな負担がかかり、炎症を起こしたり、腱をいためたり、時には致命的な故障を起こしてしまう(自分で体験した)。

 パワードスーツじゃなく、ロボットなら人間のプロポーションを再現する必要は必ずしもないから、両脚の付け根の間隔を広げれば解決するだろうけど、それは人間のプロポーションとは大きくかけ離れ(『アバター』に登場するロボットのように)どたどた歩く爬虫類のバランスに近くなってしまう(速く走れば、逆に安定する)。
 特に、人間の動きをトレースするようなロボットなら(パワードスーツでもいい)、コンピューターが自動的に動きを補正すればいいと思われるかもしれないが、それでは、障害物の無い場所を歩いたり走ったりすることしか出来ない。
 僕だって、手足を家具にぶつけて悲鳴を上げることはしょっちゅうある。


 というわけで、『ダイナミックフィギュア』の仕事を引き受けたとき、(走ったり泳いだりするシーンがあるし)走ることができる脚を与えることにしたのです。

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●関節のこと
  現実に存在する大きなメカと言えば、工事現場で動くメカたちデス。
 特に長いアームを持ったメカの動きは鈍い。
 今の技術では、どんなに大きなトルクを備えたモーターでも、素早く動くことは不可能でしょう。
 そこで、ぼくは、走るときに関節などは動かさないで済む方式を考えた。
 素材そのものの反発を利用して、「跳ねる」脚。
 両脚を無くした人がカーボンの義足で記録に挑む、あの方式ですね。

 実はこれはとても昔からある考え方なのです。
 まだ自立二足歩行が実現する前の初期のロボットの中で、いちばん機敏に動いたのが、一本脚の「ホッピング」タイプでした。歩くのではなく、ぴょんぴょんと跳ねながら進んでいく。宙返りも思いのまま。
 ただし、メカそのものは、腰の横に固定されたアームで、ちょうど重心部分を支えていた。
 重心の移動が極限まで少なかったからこそ可能だったのデス。

●重心と反動
 日本刀を思い浮かべてください。フェンシングのそれとは違い、分厚い刀身はとても重く、これを素早く動かすためには、重心の移動を極限まで減らす必要があります。例えば、鞘から抜く時、刀身を引き出すのではなく鞘の側を後ろに落とす。刀を振り回す時は、重心を中心に、刃先と、(重心が点対称の位置にある)柄や腕のほうを動かすのデス。このとき、人と刀の合わさった重心の移動はとても滑らかなものになる。

 これは巨大ロボットでも同じだと考えました。
 パンチを打ち込むとき、その動きを打ち消す動作が必要となるだろう。そして、手刀を打ちおろすとき、その動きを打ち消すのは、二本の脚に支えられた胴体であり、そのすべてを引き受けるのは、地面となるが、これらを考えたとき、胴体の内部にジャイロがあると、動きで重心位置が大きく動かずに済むように四肢パーツが軽くても、相手にダメージを与えられる。
 ちょうどうまい具合に、今建設中のスカイツリーで使われているクレーンの映像も公開されましたね。強風の中でも回転しないクレーンのワイヤーに吊るされたメカは、「衝撃音」とともに、いきなり回転を止める。

●ちょっと脱線
 最近,テレビで『デスノート』を見ました。悲しいことに役者は、ハリウッド映画のように、拳銃を水平に持って撃ってました。このとき銃の反動を押さえ込むのは腕の重さだけであり、その腕は反動によって横方向に逸れるでしょう。拳銃の反動は、拳銃を持つ腕、それを支える肩、その肩を支えるのは、二本の脚がたっている地面なのデス。
 もっとも横になぎ払うように弾をバラ巻きたいのなら別だけど。

ダイナミックフィギュアの作り方4につづく

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